超微小押し込み硬さ試験機 (Nanoindentation tester) とは?
超微小押し込み硬さ試験機 (Nanoindentation tester) とは、ナノインデンテーション試験に用いる装置です。
ナノインデンテーション試験は以下のように行われ、得られた荷重-変位曲線からサンプルの機械特性 (硬さ、弾性率 etc.) を算出します。
(1) 圧子で測定の原点となるサンプル表面を検出
(2) サンプルに荷重を負荷
(3) 荷重を除荷
図1 ナノインデンテーション試験
ナノインデンテーション試験は、押し込み荷重 µN、押し込み深さ nm オーダーでの測定が可能です。そのため、メッキや硬質皮膜、DLC、機能性樹脂膜、表面改質層などの薄膜材料の機械特性評価に適しています。また、圧子の形状を変更することで様々な材料に応用可能であり、微小粒子や粉体材料の評価も可能となります。ナノインデンテーション試験では、荷重-変位曲線から機械特性を求めるため、圧痕の観察が不要です。
図2 ナノインデンテーション試験が対象とする測定サンプルの例
超微小押し込み硬さ試験機を用いた特性評価は、半導体やエネルギー、自動車、鉄鋼、生体材料、新材料開発など多種多様な分野に応用されています。