電子ビーム描画装置 (Electron beam lithography system) とは?
電子ビームリソグラフィ (Electron Beam Lithography: EBL) で使用する露光装置です。
EBLとは、以下のように行われます。
(1) サンプル上にレジストを塗布
(2) 電子ビームを照射し、レジストの主鎖を切断 (=ポジ型レジスト) または架橋 (=ネガ型レジスト) させる
(3) 現像プロセスを経てパターンを形成
図1 電子ビームリソグラフィ (Electron Beam Lithography: EBL)
電子ビーム描画装置の技術的な要は鏡筒 (Column) にあります。電子ビームは鏡筒上部で加速され、様々な工夫が施された電子光学系を経て、最小で直径 2 nm 以下まで絞られます。さらに、電子ビームを自在に走査することができるため、シングル nm オーダーの分解能で、自由なパターンを形成することが可能です。
図2 電子ビーム描画装置の鏡筒と電子ビーム径。鏡筒内部に電子銃や加速器、電子光学系を配置。
EBLで作製されたパターンは、半導体集積回路や量子コンピュータ、パワーエレクトロニクス、オプティカルデバイス、バイオデバイス、新材料開発など多種多様な分野に応用されています。